母に数十年間言えなかったセリフ
- reicielstudio
- 1 日前
- 読了時間: 5分
あなたには子供のころ親に言いたかったセリフはありませんか?
映画のテーマとして選ばれる方が多いのが「母」。
その母に対して「数十年間言えなかったセリフ」にたどり着いたYさんの映画制作を取り上げます。
似たような経験、あなたにないでしょうか?

レイシェル青春映画塾 Y(短編映画『blind spot』を監督)
人生の中で映画を作ることになるとは、思ってもみませんでした。
友人から、「心を違う角度から見つめられるよ」と言われ興味を持ったことがきっかけで、映画塾に参加したのですが、実際に自分が映画を作れるとは、正直あまり思っていませんでした。
自分の心に嘘をつかない。自分に正直に向き合う。自分だけの発見・感動―
どんな映画にするか考えていたところ、ちょうど映画塾が始まった日に起こったエピソードが気になりました。それは母親に対しての、今まで無かった気づきでした。他に考えたいこともあったのですが、母に対して掘り下げてみようと思ったのです。
私は数年前から母に対しての反省・感謝がテーマでした。というのも、娘の大学休学・留年(最終的に中退)という問題に直面していて、子どもの問題は自分(私)と親との関係が影響していること、大人になって起こる問題の根っこには、子供時代の苦しみがあると聞いていたからです。
母からしてもらった恩を思い出し、感謝を重ねていましたが、いつも引っかかる言葉がありました。母は思ったことをすぐに口にする人で、私は母の言葉に何度も傷ついていました。今回、それをテーマにシナリオを作りました。
キャストについて、監督から「このシナリオだと自分で演じたほうが良い」と提案もあり、自分書いたセリフで自分で演じることにしました。

改めて母の人生や気持ちに想いを馳せたり、練習や撮影でセリフを何度も言ううちに、自分はなぜ母に言われたことにこれほどこだわっているのか、馬鹿らしくなりました。
自分がとても自己中だと思ったのです。誕生前から与えてもらったことの方がものすごく多く、お返し出来ていないのに、母のマイナス面を虫眼鏡で見るように見ている。
自分の自己中さに嫌気がさしてきました。そして、もういい・手放そう、ずっと握っていた苦しみや執着を手放そうと思ったのです。

それは良かったのですが、そうすると映画を撮るのも、もうここまででいいかと集中できなくなりました。
そこは、監督が「せっかくここまできたのだから、なんとか形にした方が良い」と言ってくださり、映画塾の最終回で初号の試写もあったので、同じ塾生にはある程度完成したことを報告したいと思ったこともあり、なんとか最後まで続けることが出来ました。
いったん完成した映画を監督に送った後、何故かモヤモヤしている自分がいました。
最後までまとめたけれど、自分の心に嘘がある気がしたのです。
何だろう...と思っていると、以前ある方から「お母さんに本当に言いたいこと言いましたか?実際に言わなくても、心の中で言ってみましたか?」と言われたことを思い出しました。
そうだ、私は母に子どもの時の気持ちを言ってなかった。最後にそれを言ってみよう。
実際の母に言ってみても、きっと覚えていない。それでなくても必死に子育てをして、覚えていないことの方が多い。
そう思って、マイクに向かって言ってみました。実際に母に言うわけではないのに、何故か緊張しました。
でも、セリフを言った時に、子どもの自分がすっきりした気がしました。そのセリフを入れて、ようやく自分で納得出来るものになった気がします。
(もしかしたら、それが言いたくて映画を作ったのかと思うくらいです)
映画を作ると人生が変わるー。監督はそう言われましたが、私はそこまで変わったと、まだ胸を張って言えません。でも一つの荷物を下ろして軽くなりました。
映画を作るにあたり、子供の頃の少ない写真を広げてみると、洋裁の得意な母が、母娘お揃いの服を作ってくれて旅行に行った写真があったり、忙しい中で通信教育で好きなことを学んでいたことも思い出しました。
怒りや文句の裏に、母自身でも気づかない本音が隠されていたのかなと思いました。
さすがに子供には、そこまでわかりませんが。まだまだ母の気持ちを理解できたとは思えませんが、以前より身近に感じますし、もっと理解出来るようになりたいと思います。

気づきも沢山いただきました。ありのままの自分を出すことが苦手で、ダメな自分や自己変革出来ない自分を裁いたりしていましたが、ダメな自分も受け入れられるようになりました。
新しいことを一から学べる新鮮さや、楽しさを経験させていただきましたし、フルタイムで働きながら、週末までの課題に取り組むための時間をどう作るか考えたり、宿題に追われ、授業についていけない子どもの気持ちも味わいました。
まさに青春映画塾でした。
心に描いたものを創り出すことにチャレンジして、イメージングが前より出来るようになりました。
魂の記憶に残る、クリエイティブな、素晴らしい時間を経験させていただきました。
同期の塾生の方にも、共感と刺激を受けました。出会えたことに感謝です。
園田監督には、パソコンやソフト操作で多々ご迷惑をおかけしましたが、最後まで伴走していただいて、本当にありがとうございました。
多くの方に好奇心と少しの勇気をもって映画製作にチャレンジしていただきたいです。
※ 塾長特別セッション(無料)を再開しました。映画制作に興味のある方のためのセッションです。ぜひ一度あなたの声を聞かせてください。



コメント