本日は素晴らしいニュースが届きました。
レイシェル青春映画塾は初心者のためのオンライン映画塾。13回の授業を少数の仲間と共に伴走して世界に一つの監督作品を作り、映画祭にチャレンジします。
私がこの塾を始めたのが今年の4月。
1期生は20代から50代までの5名でした。
映画を作るだけでなく、自分の自己変革も期待できるのが映画制作ですので、映画祭に出すこと以上の価値を追求した教育プログラムを実践しています。
ですから正直最初から世俗的な結果を期待していたわけではありません。
しかし、昨日に二人の方から短編映画祭に入選したという知らせを相次いで受けました。
全くの晴天の霹靂でしたので実際のところ自分の監督作品への評価をいただいた時以上に嬉しかったです。
お二人とも映画制作の素人でした。そして二人とも映画完成への道は平坦なものではありませんでした。
<途中でガラリと路線変更>
お一人は兵庫県在住の女性で、地元を再生する志があり、ある有名なテーマで作品を作りたいという思いが最初からあった方です。
しかし、季節、キャスト、その他の動かせない要因で断念されたのです。(映画塾での映画制作は3ヶ月の短期決戦です)
通常、こうした思い入れの深い作品を断念すると映画を他の形で完成させることはできません。
指導する側としてはリタイアの可能性も頭によぎりました。
しかし、結局この方は出演者も監督も自分一人で行うという形で究極の少人数映画を作成されました。
何度か家族の方に撮影を頼んだようですが、それ以外は全てを一人で行った映像詩です。
そして、さらに選んだ作品の構成が素晴らしかった。自分の心のうちの問題を示しながら、タイムカプセルを掘り返すのですが、この映画自体が彼女の未来へのタイムカプセルになっていく、という内容でした。
「必ず、これをやるのだ」と意気込んでいた作品ができなくなったことで、却って純粋な思いに満ちた作品に辿り着いた、という印象です。
<お客様とのエピソード>
もう一人は愛知県在住の男性でリフォーム業を営んでいる方です。
難しい年頃の娘さんとの関係改善も狙い、娘さんのキャスティングを試みましたが、失敗。
それでも物語の核を日頃の仕事の中のエピソードから拾い、ご自身の仕事をPRできるような作品を目指します。
テーマは「愛」です。監督が大事にしたいものが愛だったからです。
家庭に脈打つ世代間の愛情の襷を、リフォーム業ならではの偶発的な発見で描きます。
とはいえ、監督は本業の仕事を行いながらの制作です。
特にシナリオの決定までにとても時間がかかったことを覚えています。
でも実際出来上がった作品は、監督の飾らない実直な雰囲気の純粋な作品となり、「プチ修繕のマルデメンテ」というお店をしっかり宣伝する作品となっています。
岡崎市近辺で修繕・リフォームの予定のある方はぜひこちらへ(笑)。
<共通点>
お二人の映画祭入賞者に共通しているのは、自身の飾らない実感や問題意識を正直にテーマにして作品を構成している点です。
勿論、初めての映画制作挑戦でしたので、撮影や編集の技術はまだまだこれからです。技術は映画塾で教えましたが、実際に自分が経験をしながら身につけていく部分が多いと思います。
しかし、そのような「技術」は短編映画においてそれほど重要ではないかもしれません。
映画を作る際、AI全盛の現代であれば尚のこと、技術にとらわれすぎることは逆にセンスがないように思います。
私は今こそ、時代に逆張りすべきと思いますし、例えば、映画というのは撮影編集の技術がないと作れないんだというような、つまらない思い込みは捨てるべきと感じています。
映画の面白さは、90%がその作品に込められた、熱意や純粋さです。
間違いありません。
だから、この二人の作品を映画祭が無視できなかったのだと思います。
技術は精神に奉仕するからこそ、尊いのですが、そこを履き違えたような現在の風潮は残念に思います。
少なくとも、私の映画塾では映画を監督する上で一番大切なことを、これからも誤解なくお伝えして参りたいです。
「クリエイティブを行う上で熱意や純粋さが最も大切」というのは20代にとっても60代にとっても変わらない黄金の真実に思えます。
<映画祭入選者お二人のインタビュー>
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